2017年10月25日水曜日

術後の入院生活について

術後は2~3週間入院することになります。
はじめは舌を安静にするため、ほとんど話すこともできません。
かなり不安もあったのですが、看護師さんたちが丁寧に対応してくださったので、安心して過ごすことができました。
ベッドが狭い、となりの音が丸聞こえ、という点を除けばとても快適でした。
そんな入院中のことを書いていきますね。


痛みについて

術後の痛みは特にありませんでした。
動かすと痛むことはありますが、安静にしていれば何の問題もなく過ごせました。
傷口にネオベールというものが張られていたので、それがジャマに感じることがあったぐらいです。
一番痛かったのは抜糸でした。


入院中の処置について

入院中は毎日、幹部の消毒をしてもらいます。
日を追うごとに、ネオベールを少しずつ取っていったり、抜糸をしたり。
1回につき数分で終わるので、普段の診察のような感じです。
土日もありました。
交代制みたいですが、先生いつ休んでるんだろうと心配になります…。


飲食について

術後2日間は、口から食べることも飲むこともできません。
その後は水とお茶だけなら飲むことができます。
歯を磨けないので、砂糖入りの飲み物はダメでした。

食事はもう少し時間がかかるので、鼻からお腹に管を入れて、そこから点滴のように注入していきます。
管は手術中に入れられているので、後から苦しい思いをすることはありません。
口を通らないので、食べた気がしないのが寂しいですね。
あと、人によっては下痢になるそうです。
私は逆に便秘になってしまいましたけど。

その後、様子を見ながらやわらかい食事に変えていきます。
最初はかまなくても飲み込めるような食事でした。
でも、先ほど書いたネオベールが舌の動きをジャマするので、かなり食べるのが難しいです。
なんでこんなにやわらかいものが食べられないの!?と悩みながら、がんばって時間をかけて食べました。

やわらかい食事が食べられるようになったら、また様子を見て少しずつ普通の食事に近づけていきます。
普通の食事ができるようになることが退院の目安でした。


チューブについて

注入用のチューブは常に鼻に入っているので、ものすごく違和感があります。
そのせいで痰もよく出ます。
舌がうまく動かせなくて痰を出すことが難しいので、痰の吸引をしてもらわないといけません。
これはナースの腕しだいなので、あまりうまくない人だと、かなり苦しいです。
鼻炎もちで、いつも鼻づまりや痰に悩まされている私は吸引の回数も多かったので大変でした。
チューブが入っている方の鼻は吸引してもらえないので、鼻づまりがひどいときは自分で鼻をかんでいましたが、これもなかなか難しい!
鼻炎のある方は覚悟した方がいいです。
口から食事ができるようになると外してもらえます。


お風呂について

入院中は自由にお風呂には入れませんでした。
2~3日に1回で順番が回ってきます。
2日も空くと少しつらいので、体をふくシートがあると助かります。
無ければぬらしたタオルでも。

入院中の過ごし方

入院中は暇です。
とても暇です。
テレビを見るか、本を読むか、ゲームをするか…。
とにかく食事と処置以外ですることがありません。
好きなように過ごせるので、とっても快適ではあるのですが、できることならストレッチと散歩をおススメします。
3日も入院していると、筋力が衰えます。
私は2週間強入院していたので、退院してから歩くのが苦痛でした。
ストレッチはしていたので、多少の筋力は残っていたものの、体力はほぼ0。
家の中を移動するだけで疲れるようになっていました。
外出許可をもらって、外を歩けばよかったと猛烈に後悔しました。
もし、入院中もしくはこれから入院する方が見ていたら、散歩!
ぜひするようにしてください。
体力がないと、退院してからがつらいですよ。


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2017年10月13日金曜日

舌ガンの手術を受けたときのこと

手術をするにあたって、先に入院することになりました。
手術が月曜日なので、金曜日から入院です。
正直なところ、土日の入院費が無駄じゃないかと思いました。
しかも土日は帰宅許可をとって、自宅で過ごしていましたから。
せめて火曜日が手術日なら!!!と思うのですが、病院のスケジュールは変えられないので仕方ないですね。

手術前にすること

まずは入院の手続きをしました。
これは病院ごとに違うと思いますが、服用している薬(市販薬、サプリなども含む)の確認と部屋の案内くらいですぐに終わりました。
そのあとで、担当看護師や麻酔担当者などのあいさつや説明があるので、部屋で待ちます。
これは担当者ごとに仕事の合間で行うので、ひたすら待たされることも…。

私は全身麻酔なので、麻酔の説明もされたのですが、これがけっこう怖いんです。
合併症や危険性は先に説明しないといけないんですね。
医学的な話を聞くのが苦手な私にはとても苦痛でした。
私みたいな人間は、この段階で急に手術が怖くなります。
震える手で同意書にサインしました。

説明された合併症はこちら。

比較的頻度の高い合併症

  • のどの痛み
  • 声がれ
  • 吐き気
  • 頭痛


まれな合併症


  • 重要な臓器の障害
  • 薬に対する異常な反応
  • 歯の損傷
  • 神経障害
  • 肺血栓塞栓症 など


手術開始時間によっては前日から絶食の必要があります。
私は朝一番の手術だったので、前日夜から絶食でした。

手術日当日にすること

基本的にがんばるのは担当医師なので、することは絶飲食の時間を守ることと、手術着に着替えることくらい。
気楽なものです。
私はうっかりしていて独りで受けたのですが、何かあったときのために家族同伴が普通みたいですね。
局所麻酔の日帰り手術しか受けたことのなかった私は、そんなこと全然考えもしてませんでした。
看護師さんに「家族は?」と聞かれても「?」という感じだった私。
何事もなくてよかったです。

全身麻酔ってどんな感じ?

私の全身麻酔のイメージは口に酸素吸入器のようなものを当てて、ガスを吸い込むというものでした。
でも、それだと口の手術はできませんよね。
なので、点滴による麻酔でした。
点滴の場所は私の嫌いな手の甲。
またここか…と思いながら我慢。
その間に心電図のテープが体に手際よく貼られていきます。
「麻酔入れますよー」と言われた後、なんとなく痛いような重いような感じがしたのですが、あっという間に意識はなくなりました。
いつ途切れたのかはまったくわかりません。

手術が終わって名前を呼ばれても、なんだか寝ぼけている感覚でした。
誰でも一度は経験する「うーん、あと5分~」と同じような感じで、二度寝してしまいました。
その後、看護師さんが「3時間たちましたよ」と伝えにきてくれたのですが、それでもまた寝てしまう。
どうしても起きない子供のようでした。
ようやく起きたのはトイレに行きたくなったとき。
最初だけは看護師さん同伴で行きました。
特にふらついたりもしませんでした。

手術前は怖いことばかり言われたものの、終わってしまえば「なんだこんなものか」でした。


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ガンが見つかって行った検査(CT、MRI、PET-CT)について

2017年10月3日火曜日

ガンが見つかって行った検査(CT、MRI、PET-CT)について

私のガンが再発して行った検査は簡単なものも含めて5つ。
その内、大きな機械に入る3つの検査について、どういう感じだったのかを書いていきます。
今回書いていない検査は表皮を削るものと生検(体の一部を切り取って病理検査)なので省きます。



私が受けたのは「CT検査」「MRI検査」「PET-CT」の3つ。
それぞれに違いがありますが、ある程度の絶食が必要なことは共通しています。
絶食時間は検査によって時間が異なります。
医師や看護師に説明されるので、時間は必ず守ります。
食事(糖分を含む飲料も)をすることで検査結果に影響が出てしまうそうです。
検査費もばかにならないので、そんなことで再検査にはなりたくないですよね。

CT検査とは

放射線を使って体の断面を撮影する検査のことです。
ヨード系造影剤を使うか使わないかで「造影CT検査」と「単純CT検査」に分かれます。
私は「造影CT検査」でした。

造影剤は途中で注射されるので、はじめは単純CT検査と変わりません。
特に痛みもなく、寝ているだけで検査が進みます。
「息を吸って」「息を止めて」などの指示があるので、それに従うだけです。

造影剤を注射されてからも、基本的には同じです。
ただ、手の甲に注射されるので痛い!
いい大人が子供のように泣き叫ぶわけにもいかないので我慢しますけど。
どうして痛みの少ないひじにしてくれないのか・・・。
それから、造影剤が注射されて少しすると、体がホカホカしてきます。
看護師さんから説明はありますが、初めてだとびっくりしますよ。

検査終了後は、造影剤の副作用が出たときのために1時間ほど病院に残ります。
副作用はだいたい1時間以内に出ることが多いからだそうです。
私は何事もなかったのですが、次のような副作用があるそうです。

  • 吐き気
  • どうき
  • 頭痛
  • かゆみ
  • 発疹
  • 呼吸困難
  • 意識障害
  • 血圧低下


MRI検査とは

磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査のことです。
他の検査と違って、放射線被ばくがないのが特徴です。
検査時間が長いことと、ものすごく大きな音が鳴り続けるので、思った以上に大変な検査です。

磁力を使うので、金属製のものは持ち込みできません。
下着も金属が入っていることがあるみたいなので、女性はカップ付きタンクトップがおススメです。
ブラジャーは外すように言われるので、何もつけずに検査着を着ることに抵抗がある場合はタンク必須です。
虫歯の治療で使われる銀歯などはそのままで大丈夫です。

検査前に「大きな音がする」としか説明されませんが、工事現場にいるような感じです。
ガンガンキンキン、いろんな音がしてきます。
閉所恐怖症の人は受けられないと聞いていましたが、これで閉所恐怖症を発症してしまうんじゃないかと思ったほど爆音が響き続けます。
この音のせいで、実際の検査時間以上に長く感じました。

私はMRIでも造影剤を使用したのですが、このときはひじでした。
造影剤はガドリニウムで、ヨード系ほど副作用が出ないとのことで、すぐに帰ることができました。
副作用についてはCTで使用するヨード系と同じような症状が出るようです。

PET-CT検査とは

ガン細胞に目印をつけることで、小さながんも発見できる検査。
PET検査とCT検査を同時に行うことで、精度の高い位置合わせができるそう。
ブドウ糖に微弱な放射線を出す物質を組み合わせたものが検査薬として使われます。

被ばく量は少ないものの、体内に放射性物質を入れるので、妊婦さんや赤ちゃん、ペットとのふれあいが制限されます。
だいたい2時間ごとに半減するそうですが、昼からの検査でふれあいの許可が出るのは深夜になります。

この検査はガン細胞がブドウ糖を栄養として取り込むのを利用するので、必ず絶食です。
水とお茶以外の水分も禁止になります。
この検査は保険適用で約3万円もかかるので、再検査は絶対にしたくありません。

病院でもちゃんと絶食が守られているか、検査前に血糖値をはかられます。
人差し指に針を刺して出血させるもので、とても痛いです。
思い出すと手が震えるくらい、たぶん私が受けた検査で一番痛いものでした。
最近は刺さずに血糖値をはかる機械が糖尿病患者のために開発されているそうなので、PET検査にも導入してほしいと強く思います。
それくらい痛かった・・・。

続いて検査薬を注射されます。
またしても手の甲から。
痛いこと続きなPET-CT検査。
ですが、この後はゆったりすごすことができます。
というのも、検査薬を注射してから1時間はただひたすらのんびり休憩するからなんです。
テレビや時計を見れば目に、音楽を聞けば耳に、と集中するとそこに薬剤が行ってしまうそうで、ソファーで寝るしかない1時間。
水はたくさん飲むように指示されるので、もらったペットボトルの水を飲んで、たまにトイレに行って、寝る。
リゾートにいるような、ぜいたくな時間です。
景色はイマイチですが。

時間がくれば、CTのときと同じように寝ているだけで検査が終わります。
私は途中で本当に寝てしまったのですが、たぶん同じような人は多いんじゃないかと。
前のCT検査と違って、布で巻かれて固定されての検査でした。

検査後も30分休憩があります。
休憩室にはテレビがあったので、それを見ていたらあっという間でした。
休憩が終われば、着替えてすぐに帰らされます。
一応、歩く放射性物質なので寄り道せずに帰りましょう。
帰ってからもペットや子供とのふれあいができないので、1日孤独になるのがつらいですね。
でも翌日には放射性物質も体から出きってしまうので、普通に生活することができますよ。


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